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ホモ好きヲタクなはっちゃけ日記。
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今日は拍手お返事の続きから遊戯王の続きなんだぜ!!
お返事無駄に反転にしてみるんだぜ!!


蛙田さんの書く小説が大好きです~の方
ありがとうございます!!そう言ってくださると本当に自信がつきます。Deuilの出会い編は書いたのが随分前なのでちょっとアップしておくのが恥ずかしかったのですが気に入っていただけて嬉しいです^^スマユリいいですよね!!スマユリって聞くとおなかへってきます
応援有難う御座います。これからもマイペース更新ですがよろしくお願いします。


『こうしてボクらはしあわせにしあわせにくらしましたとさ・中編』 表海表→王



「相棒!!庭のツツジが咲いたぜ!!」

雨が降っているのにもうひとりのボクは家の外に走り出した。
本当はもう一人のボクとボクが別々で居る事はおかしいことなのに僕はその時夢だという自覚も無く当たり前のように頷いて彼を追いかけようとした。
雨はしくしく降っていて、もう一人のボクはテレビの砂嵐みたいにどんどん灰色に解けていく。ボクはあわてて靴も履かないで飛び出した。水溜りに足が触れた気がしたけれど真っ白な靴下は湿った気持ち悪さを僕に伝えない。そこでようやくボクはこれが夢だと自覚した。

「相棒!!ツツジが綺麗だぜ!!この色、なんて言うんだ?」

何言ってんだよ、そんな場合じゃないよ早くこっちに来てよねえもう一人のボク!!
昔はやった手のひらに載せるとほっぺが光って勝手にしゃべるピカチュウの人形みたいだった。
彼はとても嬉しそうに笑いながら乱れの無い声で嬉しそうに相棒、相棒と繰り返すのだ。
これは夢だ。夢だ夢だ夢だ。壊れたピカチュウみたいに正確な発音でボクのことを呼び続ける消えかけた彼。こんなの夢だ。わかっているのにボクは目を覚まそうとしなかった。雨の中の彼に必死に手を伸ばした。世界はまるでスローモーション。なのに心臓だけは普通の速さで動くものだから酸素が足りなくなる。ボクの呼吸はゆっくりだ。息が出来ない。苦しい苦しい苦しい苦しい。
もう一人のボクは灰色に分裂していく彼の向こう側でツツジの花は紫のようなピンクのようななんとも言えない色で光っていた。


「もうすぐ着くぞ」
「えっ?」

ボクは規則的な車の流れる音と海馬君の声でようやく目を覚ますことが出来た。
僕の頭は驚くことに海馬君の膝の上にあった。もしかしたらときめくところなのかもしれないけれど、海馬君の膝の高さはボクの首の長さからするととても高かったから、項の辺りが張っている。それから何度か感じた息苦しさは海馬君のせいかもしれない。前に眠っているモクバ君にあの重たそうなコートをかけてあげたこともあったそうだ。彼の思いやりは複雑だと思う。

ボクがゆっくり顔を上げるとまだ高いビルが立ち並んでいる。富士山なんて見えそうも無かった。

「何処に着くの?」
「パーキングエリアだ。疲れていると嫌な夢を見るそうだ。少し休憩するぞ」

どうやらうなされていたようだ。なら起こしてくれればよかったのに。嬉しいけど、彼の優しさはなんだかおしい。おかしくなって笑ったら海馬君は不思議そうな顔をしていた。

ボクらはパーキングエリアで三十分くらい休憩した。海馬君は何も食べなかったけれど苦そうなコーヒーを飲みながらトラックのおじさんたちに混じってお昼のニュースを見ている。ボクはその横であったかいおそばをすすっていた。株の動きをここまで気にする高校生をボクは彼意外に知らない。

だけど株の動き以上に最近海馬君はボクの体調を気遣ってくれる。くすぐったい気分になる。

「もう大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ」

そうか、と頷いて海馬君はさっさと歩き出した。ボク今日はなるだけ目を開けていようと思った。
海馬君は海馬君なりにボクのことを気にかけてくれているのにボクばかりが甘えちゃ申し訳ない気がしたのだ。誘ったのは海馬君だけどサボりは同罪だ。

「海馬君、帰りはボクがコーヒーおごるよ」
「お前なんざに施しされるほど海馬コーポレーションの株は暴落しておらん!!」

どうやら株、下がっていたみたいだ。僕も大概、タイミングが悪いんだ。どんくさいって城之内君に笑われる。
でもどんくさいどうしのボクらだったらなんだか上手くやれる気がする。

動き出した車の外の流れる風景がいつの間にか灰色に染まってゆく。雨が降り出した。
海馬君だけがきちんとした色でボクのとなりに人形みたいにおとなしく座ってた。



まだ続くらしいぜ!!


久々の長編です。しかも海馬と表遊戯笑!!
こんなに長くなる予定は無かったのですが如何したんでしょう、もう一人のボク。
本当は二人で富士山眺めてさっさと帰ってくる話だったのになんか二人でサービスエリアに立ち寄るシーンがどうしても書きたくて不要なエピソードが増えてしまいました。
本当はもっとお土産やさんで社長がうろうろする所とか書きたかったんですが…
次こそはきっと富士山にたどり着くと思います。なにより此処まで運転してくれた磯野さんお疲れ。

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