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何処に行っても窓が見えた。
どうしてか彼は知らなかった。彼どころか時々出会う誰だってわからない、彼の目がおかしかったからだ。
銀の光に飲まれて以来彼の瞳は窓を映した。窓は何時も閉じていて、黄色いカァテンがかかっている。何時も閉じていて手を伸ばしても触れる事は今まで無い窓だった。
彼は窓から逃げたかった。
右を向けば窓は左にあったし、走れば遠ざかった。しかし見えなくなって、例えば上を見たらそこにあったりする。窓に法則は無い
窓の外には誰も居ない。なのに彼は怖がった。
目が合った気がしたのだ。向こう側が透けて見えない窓の外から、誰かがじぃっと自分を見ている気がしたのだ。
彼は今日も窓から逃げる。
人は気違いだと彼を言う。その通り彼は気が狂っている。
彼は逃げている。それはもう窓からではない。窓から見えるその目から逃げている。あるかどうかも分からない誰かの眼差しから逃げている。
彼は何処にも泊まれない。大抵の家には窓があるからだ。もしもそこの窓も自分を追いかけてきたら如何しようという恐怖があるからだ。
カァテンをかけられれば多少は楽になるかもしれない。
ヒラヒラ揺れるカァテンは届きそうで届かない。優雅な動きで指の先をすり抜ける。
彼は眼球を潰そうと決めた。それしかないと思った。
例えばそうしたってあの目は自分を見ているのかもしれないのだろうけれど見えなければ関係なかろう。
何時からかぽけっとに入れていた剃刀を取り出して彼は眼球に近づけた。窓は目の前にある。今日もそれは閉じている。足元には聖書が転がっている。
何か後ろめたいことがあったろうか。
彼は如何して怯えていたのだろうか。
誰にも迷惑をかけまいと生きてきた彼はたったいま生きてきた世界と断絶する。
光は見えない。
あの日見た銀色こそが罪だったのだろうか。男は解れない。誰だって解れない。
理解してはいけないのだ。この世界は当たり前の不条理で出来ている。彼にとってそれは窓だった。それだけなのだ。
光と共に窓も消え去った。
彼の世界にはもう誰も居ない。
誰かに見られているんじゃないかという恐怖は前以上に増えた気がする。
なんか創作…突発的に描きたくなった
どうしてか彼は知らなかった。彼どころか時々出会う誰だってわからない、彼の目がおかしかったからだ。
銀の光に飲まれて以来彼の瞳は窓を映した。窓は何時も閉じていて、黄色いカァテンがかかっている。何時も閉じていて手を伸ばしても触れる事は今まで無い窓だった。
彼は窓から逃げたかった。
右を向けば窓は左にあったし、走れば遠ざかった。しかし見えなくなって、例えば上を見たらそこにあったりする。窓に法則は無い
窓の外には誰も居ない。なのに彼は怖がった。
目が合った気がしたのだ。向こう側が透けて見えない窓の外から、誰かがじぃっと自分を見ている気がしたのだ。
彼は今日も窓から逃げる。
人は気違いだと彼を言う。その通り彼は気が狂っている。
彼は逃げている。それはもう窓からではない。窓から見えるその目から逃げている。あるかどうかも分からない誰かの眼差しから逃げている。
彼は何処にも泊まれない。大抵の家には窓があるからだ。もしもそこの窓も自分を追いかけてきたら如何しようという恐怖があるからだ。
カァテンをかけられれば多少は楽になるかもしれない。
ヒラヒラ揺れるカァテンは届きそうで届かない。優雅な動きで指の先をすり抜ける。
彼は眼球を潰そうと決めた。それしかないと思った。
例えばそうしたってあの目は自分を見ているのかもしれないのだろうけれど見えなければ関係なかろう。
何時からかぽけっとに入れていた剃刀を取り出して彼は眼球に近づけた。窓は目の前にある。今日もそれは閉じている。足元には聖書が転がっている。
何か後ろめたいことがあったろうか。
彼は如何して怯えていたのだろうか。
誰にも迷惑をかけまいと生きてきた彼はたったいま生きてきた世界と断絶する。
光は見えない。
あの日見た銀色こそが罪だったのだろうか。男は解れない。誰だって解れない。
理解してはいけないのだ。この世界は当たり前の不条理で出来ている。彼にとってそれは窓だった。それだけなのだ。
光と共に窓も消え去った。
彼の世界にはもう誰も居ない。
誰かに見られているんじゃないかという恐怖は前以上に増えた気がする。
なんか創作…突発的に描きたくなった
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