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ホモ好きヲタクなはっちゃけ日記。
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※魚水を書こうとしたら何だか何処が?というお話になってしまいました。
かなりや=孔明
ご主人様=殿
よだか=ホウ統
といったキャスティングで楽しんでいただければわかりやすいかと思います。因みに天華っぽいです。そのくせ周瑜も魏延も出てきません。





かなりやは鳥で一番にかわいそうな鳥であります。
よだかは不細工ですが、そらを飛ぶことが出来ます。
にわとりは飛ぶことは出来ませんが、卵が、肉が、人の生きるためになります。
かなりやは空を飛ぶことが出来ますが、禁じられております。
美しい声でさえずることだけを求められ、飛べるはずの羽を忘れてしまったかわいそうな鳥であります。

「私は果たして鳥だろうか」

かなりやは思います。
かなりやは求められるままに歌を歌いました。
かなりやの綺麗な声に、ご主人様は嬉しそうに致しました。孔明はそれを見るのが幸せだったので、空を飛びたいなどとあまり思いませんでした。
それでもあんまりお月様の遠い夜だとかは、海に沈められたように街がしいんと静まり返って、淋しくてたまらなくなるものだから、お月様に向って一直線に飛んでゆきたいとも思うのでした。

しかし、かなりやは夜歌うことを許されませんでした。静かな夜に、かなりやの高い声はただ迷惑なだけでした。

眠るのも辛い夜に、かなりやはただ一人で耐えました。
水底にいるように、息苦しいのにも耐えました。朝が来れば、ご主人様が笑顔で挨拶してくれるのだから、そればかりを楽しみに、かなりやは太陽が昇ってくるのを待っていました。

その朝、ご主人様は森からやってきました。昨日の夜、こっそり狩りに出かけていたのでした。
ご主人様は鳥を一匹捕まえました。よだかです。
よだかは醜い鳥ですが、よく見れば愛嬌のある目をしています。

ご主人様はその時から、かなりやのことなんてすっかり忘れて、よだかに夢中でありました。
よだかは、初めて人に好かれたものだから、それを手放さないように必死でした。出来るだけ、かなりやのことをご主人様が忘れるように工夫もしました。

長い夜を越えた先にかなりやに待っていたのは、恐ろしい孤独でした。
かなりやは、もうあのお月様に飛んでいってしまいたい気分で一杯でした。

しかし、かなりやは歌う鳥でありました。
一度も鳥かごから出た事の無い、この羽根が果たして空を飛べるだろうか。
お月様まで届かないかも知れない。下手をしたら、このおりからだって、出ることは叶わないかもしれない。

昨日までのかなりやなら、ここできっと諦めてしまうでしょう。
三食ごはんはきちんと食べられるし、死んでしまったら、意味が無い。
そう思って少しぐらい淋しくても我慢しようと思うでしょう。
しかし、今日のかなりやはその寂しさにもう耐えられなくなっておりました。


かなりやは鳥で一番かわいそうな鳥であります。
ひとりぼっちでは生きていけないのです。
かなりやはひとりで生きるためには神様はおつくりになられなかったのでした。

だから、鳥かごを壊すこともできず、力尽き、夜が明けるころにはかなりやはぐったりとかごの中で横たわっていました。

えさをやりに来たご主人様はそれに驚き、真っ青になりました。

「ああ、私がかまってやらないばかりに、かなりやは淋しくて死んでしまった!!なんてことをしてしまったんだ!!」

ご主人様は祈りました。どうか、このかなりやをお救いください。神様、このかわいそうな鳥をお助けください。

ご主人様の祈りが届いたのかどうかはわかりませんが、かなりやは死んではいませんでした。
しかし、かなりやは疲れ果てて声も出ませんでした。
美しかった金色の羽根は所々羽根が抜け、骨が飛び出して血が滲んでいます。
あの美しかったかなりやの面影はありません。

しかし、かなりやは愛されずには生きられない鳥でありました。

愛されるのに必要なもの全てを失ったかなりやは、目を覚ましても途方にくれました。
こんな姿では、誰も私を愛してはくれない。私は淋しいと死んでしまう。もう、生きていることは叶わないのだ。

死んでしまえば、冷たい土の底へ行かねばなりません。すると、あのお月様とも永遠に顔を合わせることはなくなってしまいます。かなりやは悲しくなりました。しかし、泣こうにも声が出ません。

ご主人様は鳥かごからそっとかなりやを出して、両手に抱いて、頬に寄せました。

「すまぬ、私は私の勝手でお前を傷つけてしまった。お前はもう、美しい声で鳴けぬし、見た目もずいぶん惨めになってしまった。それでもかなりや、お前がすきだよ。」

ご主人様は、かなりやの寂しさを愛してくれたのでした。
ひとりきりで生きられない、そのかなしさを愛しいと思ってくれたのでした。それならば、もうかなりやはひとりぼっちになることはありません。


鳥かごの中でかなりやは空を仰ぎました。
お月様はやはりずっと遠くに見えましたが、かなりやは飛んでいきたいだなんて、一度も思うことはありませんでした。





天華の二人は、パラレルにでもしないと補完することが出来ないような気がします。
それから童話調の書き方が正直一番やりやすいです。最近そんなのばっかり読んでるせいだと思われます。
天華魚水は、殿が孔明を愛してくれないと幸せな終わりにはなれない気がします。
それこそ、5の殿のように、「策などもういい!!」とおっしゃって、彼の人格を愛おしいと思ってくれないといけないのだと思います。
でもそういうのはきっと難しいんだと思います。

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