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ホモ好きヲタクなはっちゃけ日記。
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一人ぼっちのイヴ記録、今年も更新しました。…あ、今年は家族が一緒だわ。

シフト見に行ったらバイト先の人に「ぐぶちゃん、彼氏は?」って聞かれました。この際はっきりと「すいません、彼が亡くなって随分経つんですけどまだ立ち直れないんです。あまりその話題に触れないでくれません?」とか言ってやればよかった。
彼の享年およそ1800年前。(こーめい!!こーめい!!)
一億と二千年後も愛してます。ぐぶです。

関係ないけどメトのシャラクの声が好きだ。たまの知久さんの声も好きだ。凄くわかりやすいフェチですが、この二人の声聞いていれば私、大ニコニコです。V系っていうか、ピコピコ系?なんか様子が小学生っぽくて可愛いと思う



『第二夜:きみはともだち』


司馬懿は疲れた顔で空を仰ぎました。年の割りに老けた、というか幼さを感じさせない表情でありました。離婚して、一人娘の親権を争って負けた、中年サラリーマンの一人ぼっちの最初のクリスマスみたいな疲れ切った、絶望に満ちた表情でした。
それを、若干十二歳の子供がやるからたいしたものです。

実際司馬懿は疲れ果てていました。
『受験生にクリスマスと正月は無い』と、よく言われておりますが、司馬八達なんて言われるほど名門名家の司馬家の教育は並みの家庭とは格が違います。
当然、お受験なんてずっとずっと先の未来の司馬懿ですら、家庭教師に毎日おはようからおやすみまで暮らしを見つめられる始末です。

他の兄弟がそれをどう思っているか司馬懿はわかりませんが、彼にとってそれは大いに苦痛でした。心の成長折れ線グラフは勉強と違って急上昇することは無いのです。個人差はあれ、生まれたての子供が悟りを開くことなんてありえないでしょう。

しかも今日は、暖かな雪が降る、滅多に無い夜でした。

こんな綺麗で不思議な夜くらい、夜更かししたっていいじゃないか!!

そんな気持ちで空を仰いで歩いていると、足元に転がっている何かに足を取られて司馬懿は転びました。

勉強は人並み以上にできるけれど、運動は人並み以下の司馬懿です。
R1ボタンを駆使してかっこよく受身を取ることもできずに無様に前のめりに倒れてしまいました。
さらにしたたかにひじを打ったようで、血が滲んでいます。

「ううっ…ばかめが!!」

司馬懿は誰にとも無く言いました。彼の呟きを聞くものは誰もありあません。それがまた、孤独であることを思い出させて、耐え難い気持ちになりました。
涙が溢れそうになったそのときです、雪が傷口に触れたかと思うと、そこが妙に暖かくなり、あれよあれよという間に塞がったではありませんか!!

これは、一体どういうことだろう?

傷口を洗うことは怪我をしたら一番大事なことは知っているけれど、雪がそれをふさぐなんて、しかも暖かいなんて誰も教えてくれませんでした。
雪は本来冷たいものだし、傷口に触れると痛いはずです。

うつぶせに倒れたまま、司馬懿が傷口のあるひじを近づけたり遠ざけたりして見ていると、風もないのにぬいぐるみが一つ、ぼっすんぼっすん転がってくるのでした。
そうしてそれは丁度司馬懿の顔の目の前で止まり、ボタンで出来た瞳が彼の顔を覗き込みました。

それはチープな熊のぬいぐるみでした。
黄色い身体に、何故か頭を覆う白い帽子みたいな布切れがかぶせてあり、なんだかえのきだけかブナピーみたいです。
明らかに手抜きの、量産されたパチモノの熊のぬいぐるみです。とても可愛いとはいえません。

しかし、目が合った瞬間司馬懿はそれに心を奪われました。

こんな不細工なぬいぐるみにときめくことなんて、果たしてありえるのでしょうか。
十二歳は不安定な年齢です。十二歳の子供はまだ、偶然がすべて運命に見えてしまったりする、ちょっと夢見がちな年頃です。
たとえばぬいぐるみが不細工でパチモノでも、こんな暖かい雪が降る、ロマンティックな夜ならば、運命を感じてしまっても仕方ないというものでしょう。

司馬懿は身体を起こして、ぬいぐるみをそっと抱き上げ、胸に抱きました。
すると、先ほど傷口が癒えたあの時と同じ暖かさを感じたのです。

「もしかして、お前が助けてくれたのか?」

司馬懿は尋ねますが、ぬいぐるみは答えません。
しかし、ぬいぐるみを抱く彼の力の具合のせいで、それがすこうし、傾いだように見えました。
司馬懿は、ぬいぐるみがそれを是とみなしたと思い、嬉しそうに微笑みました。

「礼を言っておこう、お前、まだ名前が無いだろう?…見てわかるぞ、まだ赤ちゃんの熊なんだろう。母親とはぐれてしまったのか、可哀相だから私が特別に名前をつけてやろう。」

ぬいぐるみを胸に抱き、司馬懿は夜更かしはやめて家に向います。
規則を破る後ろめたさも、規則を守らなければいけない息苦しさも今は全く感じません。彼の足取りは、綿のようにふわふわ軽くありました。

「お前の名前は…徐晃としよう。徐晃、これからお前は私の家族だ。」


…すべては偶然が運命的に重なった結果で御座いました。
司馬懿の傷を癒したのは徐晃ではなく、他の綿状生命体でした。徐晃が頷いたように見えたのは司馬懿の力の入れ具合によるものでした。
それでも、そんなことをごちゃごちゃ言っても何も楽しくありませんよね。

十二歳の感性が見た、それは嬉しいプレゼントでありました。



続くよ!!


書いてる人はものっそい楽しいんですが、読んでる人は果たして楽しいのだろうか。
司馬懿はぬいぐるみに平気で話しかけるタイプだと思う。

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