×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
もうしつこいよ!!普通の話書けよって言っちゃいや^^
続きから魚水だよ!!礼の如く孔明がはくちです。白米です。
天華最終巻の展開が許せねえ方は見ちゃらめえええ。
続きから魚水だよ!!礼の如く孔明がはくちです。白米です。
天華最終巻の展開が許せねえ方は見ちゃらめえええ。
『numb』
本当は私だってお前を抱きしめてあげたいよ。
ただ、指がもう動かないんだ。
触れたら、そのまま絞め殺してしまいそうだ。
本当は私だってお前を愛しているんだよ。
ただ、この指がどうしようもなく無感動なんだ。
中指から順番に麻痺ししてしまった。
孔明と向き合っていると、人に気持ちを伝えることに絶望しそうになる。どれ程、彼が生きるための手助けをしても、彼は生きようとしてくれない。二日に一度くらい、思い出したように水分と食事を求めて、他の時間は眠っているか、交わっているか、どこか遠くを見ているばかりだった。
右手の甲の赤い亀裂を舐めた。乱れた髪を梳かそうと櫛を近づけた時に思いきり引っかかれた傷だ。
その隣にも爪の食い込んだ後があったが、それがどうして出来たのか理由はもう思い出せない。何分、傷が多すぎるのだ。
傷を作った本人は、そんなこと何も知らないように寝台の上に悠々と転がっている。親指を咥えて、瞬きもせずに天井を睨んでいる。
時々三角に立てられた膝がぱたん、と音を立てて崩れたり、また立てられたりして、孔明はそこから動かない。
白い長い髪が、西日に照らされて橙に透けて、水面のようにきらきら光って見える。あそこに太陽が沈んでいけばいい。そうして夜が来れば、彼の髪も夜の水面よろしく自分と同じような黒い色になるだろう。そうすればきっと彼も少しぐらいは賢くなるかもしれない。
夕暮れになると赤ん坊はぐずりだす、と言ったのは確か妻だったか。
赤ん坊同様のこの男も、太陽に見捨てられるのを感じると、やはり喚きだすのだった。
その日も例にもれず、孔明は泣き出した。身体をほんの少し起こして、辺りを見回して、誰も居ないためにおそろしくなって泣いた。
出会ったときに、真っ赤な瞳から流れる涙が、血のようだと思ったからこの男はかわいそうなのだと思った。だから、抱き締めなければならないと思ったのに。
零れた涙は一滴も逃さずに救ってやらなければと決意したのに。
私の手は傷つくだけで何も触れることが出来ない!
抱きしめてあげなければいけなかった身体は、快楽だけを奪って拒絶し、零れる涙は手のひらを逃げるようにすり抜ける。
だからだろうか、今日に限って泣きだした彼の傍に駆け寄れずにいる。
本当にすぐに行けるのだ。声だって聞こえるし、あの赤い目だって見える。なのに、足が、手が、身体のどこも動かない。西日の眩しさに瞬きすることだって出来ない。
なあ、お願いだ動いてくれよ、手、足。もうどこでもいいから。
私は、彼を安心させてあげなければいけないのだよ(一度だってあったか?お前のお陰であいつが泣きやんだことが)
私は、彼を抱きしめてあげなければいけないのだよ(一度だってあいつが望んだか?お前は知っているだろう、あいつは誰とだって寝る)
それでも、私は手を伸ばさなければいけない。
なのに、どうしようもなく手がかじかんで、うごかないのだ。
了
こころとからだがどんどこ離れていく零度殿。次辺りは流石に明るいお話が書きたいところです。
育児の際に、「私のことなんて、この子わからないわよね」となっちゃうお母さんの無情さみたいな殿が書きたかったのに、リンキンの曲聴き始めたらそれどころじゃなくなってアー!!
本当は私だってお前を抱きしめてあげたいよ。
ただ、指がもう動かないんだ。
触れたら、そのまま絞め殺してしまいそうだ。
本当は私だってお前を愛しているんだよ。
ただ、この指がどうしようもなく無感動なんだ。
中指から順番に麻痺ししてしまった。
孔明と向き合っていると、人に気持ちを伝えることに絶望しそうになる。どれ程、彼が生きるための手助けをしても、彼は生きようとしてくれない。二日に一度くらい、思い出したように水分と食事を求めて、他の時間は眠っているか、交わっているか、どこか遠くを見ているばかりだった。
右手の甲の赤い亀裂を舐めた。乱れた髪を梳かそうと櫛を近づけた時に思いきり引っかかれた傷だ。
その隣にも爪の食い込んだ後があったが、それがどうして出来たのか理由はもう思い出せない。何分、傷が多すぎるのだ。
傷を作った本人は、そんなこと何も知らないように寝台の上に悠々と転がっている。親指を咥えて、瞬きもせずに天井を睨んでいる。
時々三角に立てられた膝がぱたん、と音を立てて崩れたり、また立てられたりして、孔明はそこから動かない。
白い長い髪が、西日に照らされて橙に透けて、水面のようにきらきら光って見える。あそこに太陽が沈んでいけばいい。そうして夜が来れば、彼の髪も夜の水面よろしく自分と同じような黒い色になるだろう。そうすればきっと彼も少しぐらいは賢くなるかもしれない。
夕暮れになると赤ん坊はぐずりだす、と言ったのは確か妻だったか。
赤ん坊同様のこの男も、太陽に見捨てられるのを感じると、やはり喚きだすのだった。
その日も例にもれず、孔明は泣き出した。身体をほんの少し起こして、辺りを見回して、誰も居ないためにおそろしくなって泣いた。
出会ったときに、真っ赤な瞳から流れる涙が、血のようだと思ったからこの男はかわいそうなのだと思った。だから、抱き締めなければならないと思ったのに。
零れた涙は一滴も逃さずに救ってやらなければと決意したのに。
私の手は傷つくだけで何も触れることが出来ない!
抱きしめてあげなければいけなかった身体は、快楽だけを奪って拒絶し、零れる涙は手のひらを逃げるようにすり抜ける。
だからだろうか、今日に限って泣きだした彼の傍に駆け寄れずにいる。
本当にすぐに行けるのだ。声だって聞こえるし、あの赤い目だって見える。なのに、足が、手が、身体のどこも動かない。西日の眩しさに瞬きすることだって出来ない。
なあ、お願いだ動いてくれよ、手、足。もうどこでもいいから。
私は、彼を安心させてあげなければいけないのだよ(一度だってあったか?お前のお陰であいつが泣きやんだことが)
私は、彼を抱きしめてあげなければいけないのだよ(一度だってあいつが望んだか?お前は知っているだろう、あいつは誰とだって寝る)
それでも、私は手を伸ばさなければいけない。
なのに、どうしようもなく手がかじかんで、うごかないのだ。
了
こころとからだがどんどこ離れていく零度殿。次辺りは流石に明るいお話が書きたいところです。
育児の際に、「私のことなんて、この子わからないわよね」となっちゃうお母さんの無情さみたいな殿が書きたかったのに、リンキンの曲聴き始めたらそれどころじゃなくなってアー!!
PR
この記事にコメントする
カレンダー
ぶろぐぺっと
お暇な方はかまってください。
最新記事
最新トラックバック
ブログ内検索
アクセス解析。