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『箱舟の二羽』 米←英で日英
※ちなみに私勉強して無いので色々信用しないでください。
全くあいつは全くあいつときたら俺のことなんかまったくわからないでそうやってすぐに冗談を言って本当のことなんて何も無いくせに俺が真に受けることだって知っているくせにまあへこんだりとかそんなことはしないけどでも人間としての情緒とかそういうのが無いって言うか俺育て方間違えたかな?
「イギリスさんは、本当にアメリカくんのことをよくお話しますね。」
早朝の庭園ではハーブの香りがむせ返るようで、自分の庭の土の匂いとはまた違ってそれは秋に香る金木犀を思わせるような存在感で鼻を突く。
それがここでは当たり前なのだろう、彼は何てこと無い顔で紅茶をすする。そうして、顔を赤らめて、「そんなことねえよ」とわざわざ大きな声で怒鳴った。
わかりやすいな、と日本は思った。
それでも口に出さないで彼と良好な関係をずっと築いていきたいからそうですか?と冗談のように笑い返すのだ。
あのとき日本は出来るだけ早く、欧米に並ばなければならない。折角結んだ有利な条約だ。気まぐれに壊されたらたまらない。まだ私は弱い。と、思っていた。
向き合って話をしてみると、彼のわかりやすさに感動した。これなら大丈夫だと確信した。
そうして今に至る。
「だから、あいつは本当に駄目で馬鹿な奴なんだって。俺のとこに居ればずっと安全で、守ってやれたのに優しくしてやったのに。本当に馬鹿だ。俺を裏切るからいけないんだ。独立したっていつかきっと侵略されてしまう。内側から壊れるだろう。それできっと助けてイギリスって頼ってくるに違いないね。ごめんなさいって言っても俺は許してやら無いから。だから最初から俺を裏切らなければいいのになんでどうして本当に。本当に。馬鹿で、」
「今は反抗期なんですよ、きっと。いつか帰ってきますよ。」
「そんなもんかな」
「そんなもんですよ」
きっと。いつか。
そういった曖昧な言葉を作るのが昔から得意だった。ぼやかしてごまかしていつでも逃げられるように道を作る。面倒な事は苦手だ。
イギリスは紅茶が紅茶をすする。にやけた口元を見られたくないのだろう、ティーカップを両手でつつみ、顔が隠れるほど底を持ち上げる。
単純で愛らしくて、少し羨ましい。ふっとついたため息に言わない言葉をすべて託した。
「それにしてもたちが悪い。ふざけんなよ。冗談でもそんなこと言わないで貰いたかった。頭に来るんだ。聞いてくれ、日本。あいつ俺のことまだ愛してるって言うんだぜ。」
「…そうですか、それは面白い冗談ですね。」
本当に笑える。
「だろう?そういうこと、あいつまじめな顔で言うんだ。冗談でも頭にくる」
それは貴方もまだ彼のことを愛しているということじゃないかとなんだか痴話げんかに巻き込まれたようで少々頭にきて疲れた気がしたのだけれどとりあえず笑うことにした。
そうして、ああ、彼は遠いと思った。
最初は慰めてやろうと企んでいたつもりだった。そうして恩を売って仲良くなって利用してしまおうと。
しかしそれにしては彼は遠かった。住まいの距離的な問題も、心の距離も笑えないほど遠かった。
何かあったときに助けてくれるものが居ないことをアメリカの話を楽しそうにする彼の横顔を見ながら思い出した。
かつて自分もつい最近までひとりぼっちで生きていた。昔、大切にしてもらった人にはひどいこともした。長いこと一人でいすぎた。後ろ盾はもう無い。
アメリカ君、一つだけ忠告です。
貴方は間違えないようにしてください。
そうして私は今たくさんの人を苦しめてこんな状態で居るのです。
イギリスさん、心に留めておいてください。
ノアの箱舟のハトは、オリーブの葉を咥えて帰ってきましたが、カラスはついに帰ってこなかったそうです。
彼がどちらか、一概には言えません。
私はきっと、とかいつか、とか言いました。嘘は言っていません。しかし、帰ってこない可能性もあるのです。
今しばらく、洪水が引くのを待つとして、貴方は彼のことを待ち続けずに歩き出したっていいのです。
遠い島国の人間が差し出がましいかもしれませんが、と思い、口に出そうとした瞬間、香るラヴェンダー。
信じられない甘さが口内を埋め尽くし、言いたかった言葉の殆どが頭から出て行ってしまった。
「イギリスさん」
「なんだ」
「お幸せに」
「はあ?」
ただ貴方の幸を祈っていた事は覚えていた。確かだった。
それなのに私はやっぱり貴方の手を振り払い、箱舟から飛び出してしまったのだ。
洪水は止み、私はついに貴方の元に還らなかった。
fin.
こんなにびくぶるしながら小説書いたの初めてです。…ヘタしたらとても恐ろしいもの的に回すジャンルですからね、これ。
だけど滾る
一応検索避けはやったんで大丈夫かな?大丈夫だよね?と思っているのですがやばかったら早めにお伝えください…!!
時期は大体日英同盟締結ちょっと後、くらいだと思います。あと、イギリス行った事無いんでもう描写適当すぎる。なんか、近所の花植木センターの温室を想像して書いたあたり、現地の人に申し訳なくて死にたくなった。
さっきまで牛子さんとメールしてたネタ。を、改造してみたり。
旧約聖書は途中で飽きてしまったので正直よくわかりません。でも、カラスは一体何処へ行ってしまったのでしょうか。あれは果たして悪ではなかったのだと思うのですが。
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