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ホモ好きヲタクなはっちゃけ日記。
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※ホウ馬のくせに5のお話だよ!

雪が降るのは舞うようにゆっくりだと思ったのはずっと幼い頃、今はその時が冗談のように思えた。雪は早い。すばやく堆積し、熱を奪ってゆく。わずかな時間だと思っていたのに、肩にはかすかな重さを感じるほどに積もっていて、振り払おうとして置いた掌の高さよりも堆積しているのだ。
今はそれを一人で見据えていかねばならない。
必要なのは救いではなくただ一つの真実なのだ。もうあの場所には居られない、居るべきではないと思い、一人逃げ出してきた。

誰も居ない、故郷へ帰る。

『雪が降るのが早くなったのではなく、貴方の時間が早く流れるようになったのです』
『なぜだ、ホウ徳殿』
『こんな馬鹿げた人生、さっさと終わってしまえばいいと思っているだろう』
『そんな、俺は曹操を殺すまで』
『早く殺して終りにしたいと、その途中で果てることも厭わないと思っている、それがしはわかっていますぞ。』
『ホウ徳殿…』
『西の果てで十字架を背負って歩いた男が居た。彼もまた、処刑台のある丘に向かって歩いた。理由は違えど、貴方はそれに似ている。死ぬ為に生きている。それが、それがしが最後まで貴方を見捨てなかった理由の一番大きいところです。』

身震いした。こういったときに自分は生きようとしていることに気付く。勝手に心臓は動くし、血液はめぐる。ならばなぜ、俺は生きねばならないのだろうか。体は俺を、生かそうとするのだろうか。もしも、何か大きなものが俺を生かそうとしているのなら、そいつに言いたい。

『もう嫌だ、疲れた。』
『馬超殿』
『ホウ徳殿も、俺を置いていくのだな。なぜ、俺は何を間違えた』
『貴方は何も間違えていない。間違えたのは、それがしだ』
『ホウ徳殿?』
『貴方の死ぬところをそれがしは見たかった。死に向かうその果ての、最後の瞬間が見たかった。しかし、貴方が傷つき狂ってゆくのを見ているうちに、それに耐えられなくなった。それがしは今、馬超殿に生きて欲しいと思っている』
『ならばなぜ、ともに生きてくれぬのだ』
『まだ、馬超殿に夢を見ている』
『ホウ徳殿…』
『もしも馬超殿が死に瀕したときに、それがしはきっと見殺しにするであろう。まだ、貴方に神の残像を見ている。…最初から、出会わねばよかったのだ。それがしのせいで、馬超殿はつけずにすんだかも知れぬ傷を多く負った。もしも、もしもの話、印度から伝わってきた教えの通りに、輪廻転生なるものがあるのならば、もう二度と馬超殿の前にそれがしは生れぬことを切望する。』

肩に積もる雪を払おうとした手は悴んでいて、指は震えた。
目に雪が入り、涙が零れた。それは一滴二滴で済まなくて、止まることを知らぬようにただ流れ続けた。

生きてゆくのだ。身体が望む限りは、辛くとも生きて、ただ一つの答えだけを知りたい。
なぜ俺を生かした。
この凍りつくような大地に、ただ一人取り残した。

『貴方といて、不運に見舞われることはあったが、俺は一度も不幸だとは思ったことはない。何でもいい、貴方に殺されたっていい、お願いだ』

「お願いだから、傍に居てくれ!」




一度消えてしまってうろ覚えで書いたために相当な劣化レプリカになりました。
書いていた時にすごい幸せなきぶんだったんですが、それをなぞる作業というのはなんて白々しいんでしょう。本当このパソコンくたばれ。
5でホウ徳殿が消えた理由を昨日書いて、彼がそれを望んだなら臨んだ結果馬超がああなったらとか考えてみました。これはもっと長い話で書くべきでしたね。
ホウ徳殿は自分勝手です。彼がどう思おうと、馬超は一緒に居てほしかったわけです。その一つの願いを果たせなかったのです。
裏切られ見捨てられ一人ぼっちになった5馬超。信頼していたたった一人に置いて行かれた4馬超。
どちらが幸せで不幸なのか、いよいよわからなくなってまいりました。
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