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ホモ好きヲタクなはっちゃけ日記。
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見ていて下さい、丞相。

そう笑った顔には一切の曇りもなく、この国では滅多に拝むことのできない晴れやかな空を思い出した。そういえばこういう人間に最近めっきり会っていなかったな、と孔明は思い出す。

例えば張飛や関羽がそうだった。戦の前になるとものすごく嬉しそうな顔をする。名誉や勝利の喜びを忘れて戦うことに熱中してしまう。故に、こちらの指示を無視することが多かったが、それ以上の働きをすることが殆どだったために寧ろ彼らが想像以上の働きをすることが楽しみでもあった。

命令を下す前の静寂。
馬が息を吐く音や、微かに動いた蹄の音にまぎれさせるように小さな声でそれは聞こえた。

「見ていてください、丞相」

振り向いた顔は、今からとっておきの悪戯をしでかす子供のように明るく見えた。彼は今、祖国の友らを手にかけようとしているのにだ。

線の細い、芯は強いが大人しく従順な子だと思っていた。
なのにあの荒々しさだ。

構えた長物の先は空気の冷たさで白く曇って太陽の光すら映さない。それなのに眩しく見えた。

彼の向かう先は地獄だろう。
いや、そこからやってきたに違いない。だから、安心するのだ。彼に任せておけば、という気分になってしまう。

大声で指示を出す彼の声、答える兵達の叫び声。

今はまだ、降将の若造だと馬鹿にしているだろうが、今にそんなことを言ってられなくなるだろう。
彼はきっと、最後まで反抗し続けるに違いない。諦念など知らぬように立ち向かい続けるだろう。かつてそうだった人間をいくらでも知っている。それらに彼の心は劣らないように見える。

孔明は当然目も離さずに彼を見ていた。
彼の中に、懐かしい英雄たちの影を見たのだ。

「見ていてください、丞相」
「ええ、見ていますよ」
「私は、貴方の知らない新しい英雄になって差し上げますから」

計り知れない驚きを差し上げますよ、と不敵に笑って走りだす。

ならば驚かせて下さいよ、私をその貴方のとっておきの冗談で。
蹄の音で揺れる視界の端で、もう見えなくなる彼に孔明は語りかけた。




ておさんとこの絵茶で盛り上がってしまって勢いで書いたよ!!ちょっと支離滅裂なのは聞きなれない洋楽聴いてるからなんだぜ!!誰だこれ。
好戦的で不敵な姜維もかっこいいかなと思った結果です。天国でも楽しくやれよ!!…命日明日だけどさ!!
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