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※殆ど独白・メモのような感じです
声が聞こえます。
「いつまで寝ておるつもりだおぬし」
いつまででもですよ。
「見てみろ、孔明。外は綺麗だぞ。竹の花が咲いている。」
それは…珍しいですね
「だろう?さあ降りて来い。見てみたいだろう。」
…いやですよ。そこまで見たくはありません。
「見てみたら、案外気持ちも変わるかもよ、諸葛亮」
おや、龐統。貴方もそんなことをおっしゃるんですか。
「いいや。あっしはお前さんを無理やり外に引っ張り出そうとは思わないよ。だけどねえ、お前さんが嬉しい顔をするところが見てみたいのさ。」
そうですか。それは眠ったままじゃできませんね。
「そうさ。だから目覚めてほしい。だけどね、あっしの声なんて聞かなくてもいいのさ。もう忘れてくれたって構わない。」
貴方のしゃがれ声、忘れようにも忘れられませんよ。
「皮肉も結構だが、真面目な話、あっしの声は実はお前さんに向けているんじゃないんだ。あっしじゃどうにもならないからねえ」
ならば、何方に?
「笑わないで聞いておくれよ。神様だ。」
…不思議なことをおっしゃいますね
「おい、諸葛亮!さっさと目を覚ませ!!」
なんですか貴方、うるさいですね
「なんだじゃない、馬鹿めが。お前、まだそんなところにいるのか。早く中原へ出て来い。」
何をおっしゃるんですか。貴方、わけがわかりませんよ。
「ええい、物わかりの悪い奴め!お前が来なければ私は誰と知を競わせれば良いのだ!!私ほどの天才が、野放しにされていてよいというのか?」
…天才、ではないでしょう。貴方、本当はとても努力家なのでしょう。指にタコが出来ています。あまり眠らないで書を読んでいるのですね、目の下の隈が痣になっています。高慢な仕草でごまかしていますが、本当は人一倍努力してこられた。違いますか?
「恥ずかしいことを言うな、馬鹿め!…このようなこと、努力の内に入らん!くそっ、お前がいなければ、私はいったい、何のためにこの努力をしたことになるのだ!!早く来い!!さっさと起きろ、馬鹿めが!馬鹿めが!!」
…うっとおしいですね、私は眠いのです。貴方のことなんて私には関係ありませんよ。大体貴方はその力を生かす場所だって、競う相手だってほかにたくさんいらっしゃるでしょう…
「丞相、起きて下さい」
おや、丞相とは私のことですか。
「そうです、丞相。早く起きて下さい。」
貴方も私を起こそうとしますか。私は眠いのですよ。
「起きて下さらないと困るのです。丞相、このままでは私は雪に埋もれて消えてしまいます。」
それは大変です。…しかし、貴方が居る所は、私が居るところからずっとずっと遠くありませんか?もっと近くに居る方に助けていただいたら…
「それは出来ないのです。駄目なのです。丞相のお力で無ければ、ここから抜け出すことはできません。私は雪に埋もれて消えてしまうでしょう。」
私の知らからでなければならないわけはありません。それに、もしかしたらそれが貴方の天命かもしれません。雪に埋もれて死んでゆく、それは雪が降る土地の者の宿命ではないですか。
…人が見えます。三人の男です。
龐統と、知らない男が二人。紫の服の文官と、緑の服の青年。
龐統は両手を組んで目を閉じています。
紫の男は左手で拳を作り、右手でそれを包んでいます。私を睨んでいます。
緑の服の青年は、耳を塞いでいます。
竹の花が咲いたことを教えてくれた男はそこにはいません。
私は少しだけ気になって辺りを見回しましたが、彼は見当たりません。
「孔明、見てみろ。素晴らしい景色だぞ!」
いやですよ。貴方がおっしゃるほど、世界は美しくありません。
「ならば、お前が見たいものを私が作ろう。青い菊でも、麒麟でも、なんでも言ってみろ。私が叶えてやろう!」
根拠はあるのですか?
「根拠があってもお前は信じないだろう。だが、目を開けたらもしかしたらそこに素晴らしい光景が広がっているかもしれない。」
…かもしれない、ですか。
でも、今目を開ければ貴方が見える。
それは間違いないのですよね。
ならば目をあけましょう。目覚めましょう。
他の三人の男の言うことも気になりますし、何より貴方に会ってみたい。
私が思うに、世界はそれほど素晴らしいものじゃないでしょう。
しかし、貴方はとても、素敵な人だ。
貴方の顔が見たい。
貴方の声を聞きたい。
貴方と会話がしたい。
さあ、目覚めましょう。
了
殿・しげんちゃん・しばちゅー・生姜でラフメイカーしてみる。
ベルリン天使の詩を思い出しながら書きました。なので殆ど掛け合いだけに。
雰囲気小説難しいですね。もっといろいろ詰め込みたかったのですが明日バイトなのでここまで^^
声が聞こえます。
「いつまで寝ておるつもりだおぬし」
いつまででもですよ。
「見てみろ、孔明。外は綺麗だぞ。竹の花が咲いている。」
それは…珍しいですね
「だろう?さあ降りて来い。見てみたいだろう。」
…いやですよ。そこまで見たくはありません。
「見てみたら、案外気持ちも変わるかもよ、諸葛亮」
おや、龐統。貴方もそんなことをおっしゃるんですか。
「いいや。あっしはお前さんを無理やり外に引っ張り出そうとは思わないよ。だけどねえ、お前さんが嬉しい顔をするところが見てみたいのさ。」
そうですか。それは眠ったままじゃできませんね。
「そうさ。だから目覚めてほしい。だけどね、あっしの声なんて聞かなくてもいいのさ。もう忘れてくれたって構わない。」
貴方のしゃがれ声、忘れようにも忘れられませんよ。
「皮肉も結構だが、真面目な話、あっしの声は実はお前さんに向けているんじゃないんだ。あっしじゃどうにもならないからねえ」
ならば、何方に?
「笑わないで聞いておくれよ。神様だ。」
…不思議なことをおっしゃいますね
「おい、諸葛亮!さっさと目を覚ませ!!」
なんですか貴方、うるさいですね
「なんだじゃない、馬鹿めが。お前、まだそんなところにいるのか。早く中原へ出て来い。」
何をおっしゃるんですか。貴方、わけがわかりませんよ。
「ええい、物わかりの悪い奴め!お前が来なければ私は誰と知を競わせれば良いのだ!!私ほどの天才が、野放しにされていてよいというのか?」
…天才、ではないでしょう。貴方、本当はとても努力家なのでしょう。指にタコが出来ています。あまり眠らないで書を読んでいるのですね、目の下の隈が痣になっています。高慢な仕草でごまかしていますが、本当は人一倍努力してこられた。違いますか?
「恥ずかしいことを言うな、馬鹿め!…このようなこと、努力の内に入らん!くそっ、お前がいなければ、私はいったい、何のためにこの努力をしたことになるのだ!!早く来い!!さっさと起きろ、馬鹿めが!馬鹿めが!!」
…うっとおしいですね、私は眠いのです。貴方のことなんて私には関係ありませんよ。大体貴方はその力を生かす場所だって、競う相手だってほかにたくさんいらっしゃるでしょう…
「丞相、起きて下さい」
おや、丞相とは私のことですか。
「そうです、丞相。早く起きて下さい。」
貴方も私を起こそうとしますか。私は眠いのですよ。
「起きて下さらないと困るのです。丞相、このままでは私は雪に埋もれて消えてしまいます。」
それは大変です。…しかし、貴方が居る所は、私が居るところからずっとずっと遠くありませんか?もっと近くに居る方に助けていただいたら…
「それは出来ないのです。駄目なのです。丞相のお力で無ければ、ここから抜け出すことはできません。私は雪に埋もれて消えてしまうでしょう。」
私の知らからでなければならないわけはありません。それに、もしかしたらそれが貴方の天命かもしれません。雪に埋もれて死んでゆく、それは雪が降る土地の者の宿命ではないですか。
…人が見えます。三人の男です。
龐統と、知らない男が二人。紫の服の文官と、緑の服の青年。
龐統は両手を組んで目を閉じています。
紫の男は左手で拳を作り、右手でそれを包んでいます。私を睨んでいます。
緑の服の青年は、耳を塞いでいます。
竹の花が咲いたことを教えてくれた男はそこにはいません。
私は少しだけ気になって辺りを見回しましたが、彼は見当たりません。
「孔明、見てみろ。素晴らしい景色だぞ!」
いやですよ。貴方がおっしゃるほど、世界は美しくありません。
「ならば、お前が見たいものを私が作ろう。青い菊でも、麒麟でも、なんでも言ってみろ。私が叶えてやろう!」
根拠はあるのですか?
「根拠があってもお前は信じないだろう。だが、目を開けたらもしかしたらそこに素晴らしい光景が広がっているかもしれない。」
…かもしれない、ですか。
でも、今目を開ければ貴方が見える。
それは間違いないのですよね。
ならば目をあけましょう。目覚めましょう。
他の三人の男の言うことも気になりますし、何より貴方に会ってみたい。
私が思うに、世界はそれほど素晴らしいものじゃないでしょう。
しかし、貴方はとても、素敵な人だ。
貴方の顔が見たい。
貴方の声を聞きたい。
貴方と会話がしたい。
さあ、目覚めましょう。
了
殿・しげんちゃん・しばちゅー・生姜でラフメイカーしてみる。
ベルリン天使の詩を思い出しながら書きました。なので殆ど掛け合いだけに。
雰囲気小説難しいですね。もっといろいろ詰め込みたかったのですが明日バイトなのでここまで^^
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