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ホモ好きヲタクなはっちゃけ日記。
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すいませんすいません結局半分くらい休んでしまった…!!今回わかったことは私案外忙しい生活を送っていることです笑

今日はふぃぎゅ@歌ってきたのでテンションが割りと高いので現代ものとかやってみます。一度はやっとかないととか思うんですが。


あと書き忘れたんですが前回のお話のモデルは後ろ/のまきチャンです。小学二年生ぐらいでやったよね。


『夏の葬列』 魚水 ※ガチホモ且つ現代物注意




隠者のように隠れて生きてきた。誰の目線にも入らぬように息を潜めて二十七年生きてきた。淋しい人生だった。しかしこうして生きなければいけないのは恐ろしいからだった。
馬鹿馬鹿しい話かもしれないが私は昔からそれこそ物心つくかつかないかそのころから夢を見るのだ。
いい夢だったり、時折酷く悲しい夢だったりする。見えるべきものと見えてはいけないものの区別もつかない小さい頃から毎日毎日見るものだから、現実を凌駕するほど私にとってそれは大きな存在感を持って、むしろ他のたくさんの人が現実として考えている目を開けてみるものよりもリアルに私は感じていた。
年を取るにつれてそれが普通ではないこともわかってきたが何処か宗教的な感覚で私はその夢を感知していた。が、次第に怖くなった。
夢の中で私は大切な人を失うのだ。その人は親と子ほどの歳の差で私に頭を下げて助けを請うてきて、共に夢を叶えようとした。私はどうやら政務か軍務の重い役についていて、才能もあったようで随分と彼を助けてあげられたようだ。
私は彼の人徳に引かれ彼を助けることに決めたようだが、夢の中の私はいつも穏やかで後悔を感じた事は無いようだった。
彼と共にあるとき私は常に幸福だった。小さい頃は親に褒められたことよりも、勉強や運動で一番を取ったときよりも、遠足で友達と仲良くなったときよりも、なによりもどんなときより彼と共にあることが幸せであった。それが恋だと知ったのはもっと年を取ってからだったが。
そうして、私は恐れた。
夢の中で私は何度も彼が息を引き取る瞬間を見ていた。
年老いた彼は病気で志半ばで息絶えるのである。私は涙を流し、細くなってしまったその掌を額に当て、冷たくなってゆく体温を感じていた。
その後自分もまた病で倒れるのだがそれは特別大切なことではない。

私は彼と出会うことが恐ろしかった。
もしも私と同じような記憶を持った彼が居たら私はまた彼を失ってしまう気がするのだ。何しろ、歳の差が大分ある。
私はあの感覚だけが恐ろしくて、思い出すといい年になったのに涙が止まらず唇が震える。

ただ怖いという感覚が私を死んだように生かした。それでも死ぬのはもったいないから仕方ないから生きていた。
そうして今に至る。

「兄さん、また貴方が留守の間に人がやってきたよ。手紙を預かっている」

弟と共に山奥でひっそり暮らしているのだが、最近わざわざ家に訪ねて来る人が居るらしい。運がいいのか悪いのか、私と顔を合わすことはただの一度も無かったが、名前は何度か聞いたことがあった。この近辺で最近出来た中小工場の社長だ。何故その人が私のような人間と話をする必要があるのかよくわからない。寧ろ、私のような世間に暗いものは役に立たない気がする。なのに根気よく二回も私のところへ足を運んだらしい。
今日は弟が手紙を預かっていた。とりあえず目を通して、次に逢った時に断る口実を考えようと重い、手紙を開いた。
しかし、言い訳なんて一つも出てこなかった。ただため息と懐かしさがこみ上げてきて私はその字の一つ一つを指で辿った。
懐かしい。誰かに対してこんな感情を抱くのは初めてだった。
小学生のときの友人にあったときも、家族の手料理を食べたときもなんとも思わなかったくせに、私は知らない男からの一通の手紙で涙を零しそうになっている。

少し暑い夏の日だった。私は昼寝から目覚め顔を上げてその人が居るのを確認した。
ちゃんと、三回目だった。


「遅かったですね、玄徳様。」




了。

一週間連載(結局二日オーバー☆)これにて終了!!色々足りない部分もありますがそれは後々補完したいと思います。とりあえずお疲れ私。
このお話のタイトルは中学三年ぐらいの教科書に載ってた夏/の葬列っていうお話から取りました。接点が季節くらいしかないように見えますが深読みするとそれっぽいよ、とか滅茶苦茶ぶっきらぼうなこと言ってみます。とりあえず今回の一週間連載の目標は「内容が気に入らなくても何でも一週間文章を書き続ける」だったので目標はおおよそ達成できたことになると思います。
現代ものを書こうと思っても素直に書けない自分に絶望した。結局転生ネタになってしまった。やっぱり縁とかあるんじゃないのかなあ。

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