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※おろちねただよ!!
人を好きになるということは非常に難しく、一生にそれは何度もあることではないものだから私は酷く慎重に慎重にやるのだけれど、あいつはそれをしない。
彼にとって人を好きになると言うことは一生に何度もあることではない、というよりたった一度に賭けていたのだった。最も、そのたった一度は私が出会う前に終わってしまっていた。
私にとって人を好きになることは一生に何度もあることではないかわけだから、なるだけ一度でも大切に大切にしておきたいのだけれど、私は今一番大切なものを棄ててしまいたくてたまらない。
折角好きになれる人を見つけたのにこれは悲しくてたまらない。
二人で居るときは苦しくてたまらない。
いつこの手が離れるのか不安でならないのだ。
離れたとき漸く安堵する。
「思ったとおりだ」
あいつは手を放すときに何の躊躇いもない。
(あいつは対して、私を好いているわけではないのだ)
そうして、少しずつあいつを嫌いになろうと努力する、私はきっとかしこい人なのだ。
狂ったこの世界で、彼はまだたった一度の中にあるのだけれど、私はいまだに彼のしあわせそうな、人らしい顔を見たことが無い。
あの睫毛を伏せるときに一度ためらう仕草を、私は覚えている。
その時私は「彼は私に似ていた」ことに気付いた。
そうして私は彼を愛するかしこいやりかたを覚えた。
待てばいいのだ。
彼は、彼の愛するものが目を逸らすのを恐れている。そして、繋いだ手の離れる瞬間に怯えている。
全てが自分から離れたときに、ため息を一つつく。安堵のため息だ。私とそっくりおそろいの、(期待などしていない)と全ての人間に言い聞かせるような存在感のあるため息だ。
彼はそのうちおかしくなるだろう。
私はそれを待てば良い。
彼に向っていくことなどせずに、彼が壊れて、墜落してくるのをひたすら待ち続けるのだ。
そうして、壊れた彼を抱きしめて頭を撫でてやればきっと逃げ出そう何て思わないだろう。
これはきっと気持ちの良いことだ。
彼は抵抗するかもしれない。
「私は貴方と違います」
と、強気に返してくるかもしれない。
まだ傷ついたことも無い無垢なお前。馬鹿馬鹿しい幻想に、とらわれないように夢中で逃げている凡愚。
ずっとそうしていられると思うなよ。
どうして人は人を好きになるということを、一生に何度も無いのか。無い様に作られているのか。
それはたまらなく疲れるからだ。何度も出来ることではないからだ。体が拒絶するからだ。
だから私はお前が、疲れて倒れるのを待ち続ける。にやにやしながら見ていよう。
それがきっとかしこい恋のやりかたなのだ。
了
司馬懿が珍しく上手な感じ。またおろち様の奇跡に頼った酷いお話です。
孔明も司馬懿も神経質そうだから、人を好きになるのって結構根性要るんじゃないかな。
兄弟とか、普通の人と関わる時間が多かった分司馬懿のほうが現実を見る目があったんじゃないかな。あと恋も戦も持久戦タイプじゃないかしらと笑
人を好きになるということは非常に難しく、一生にそれは何度もあることではないものだから私は酷く慎重に慎重にやるのだけれど、あいつはそれをしない。
彼にとって人を好きになると言うことは一生に何度もあることではない、というよりたった一度に賭けていたのだった。最も、そのたった一度は私が出会う前に終わってしまっていた。
私にとって人を好きになることは一生に何度もあることではないかわけだから、なるだけ一度でも大切に大切にしておきたいのだけれど、私は今一番大切なものを棄ててしまいたくてたまらない。
折角好きになれる人を見つけたのにこれは悲しくてたまらない。
二人で居るときは苦しくてたまらない。
いつこの手が離れるのか不安でならないのだ。
離れたとき漸く安堵する。
「思ったとおりだ」
あいつは手を放すときに何の躊躇いもない。
(あいつは対して、私を好いているわけではないのだ)
そうして、少しずつあいつを嫌いになろうと努力する、私はきっとかしこい人なのだ。
狂ったこの世界で、彼はまだたった一度の中にあるのだけれど、私はいまだに彼のしあわせそうな、人らしい顔を見たことが無い。
あの睫毛を伏せるときに一度ためらう仕草を、私は覚えている。
その時私は「彼は私に似ていた」ことに気付いた。
そうして私は彼を愛するかしこいやりかたを覚えた。
待てばいいのだ。
彼は、彼の愛するものが目を逸らすのを恐れている。そして、繋いだ手の離れる瞬間に怯えている。
全てが自分から離れたときに、ため息を一つつく。安堵のため息だ。私とそっくりおそろいの、(期待などしていない)と全ての人間に言い聞かせるような存在感のあるため息だ。
彼はそのうちおかしくなるだろう。
私はそれを待てば良い。
彼に向っていくことなどせずに、彼が壊れて、墜落してくるのをひたすら待ち続けるのだ。
そうして、壊れた彼を抱きしめて頭を撫でてやればきっと逃げ出そう何て思わないだろう。
これはきっと気持ちの良いことだ。
彼は抵抗するかもしれない。
「私は貴方と違います」
と、強気に返してくるかもしれない。
まだ傷ついたことも無い無垢なお前。馬鹿馬鹿しい幻想に、とらわれないように夢中で逃げている凡愚。
ずっとそうしていられると思うなよ。
どうして人は人を好きになるということを、一生に何度も無いのか。無い様に作られているのか。
それはたまらなく疲れるからだ。何度も出来ることではないからだ。体が拒絶するからだ。
だから私はお前が、疲れて倒れるのを待ち続ける。にやにやしながら見ていよう。
それがきっとかしこい恋のやりかたなのだ。
了
司馬懿が珍しく上手な感じ。またおろち様の奇跡に頼った酷いお話です。
孔明も司馬懿も神経質そうだから、人を好きになるのって結構根性要るんじゃないかな。
兄弟とか、普通の人と関わる時間が多かった分司馬懿のほうが現実を見る目があったんじゃないかな。あと恋も戦も持久戦タイプじゃないかしらと笑
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貴方にならさよならという必要な永遠に来ないような気がしたのです。
私の言うことを穏やかに微笑みながら頷くので、私は勘違いしていたのかもしれません。
貴方だけは私の言うことをただ頷いて、その通りに動くものですから、私は貴方を手足だと思っていたのです。だから貴方が居なくなったら私は大層困ると思っていました。
事実、貴方が病床に臥せたと聞いたとき、私は頭の中が真っ白になりました。
体が腐り、こころだけがぽつんと取り残されたような気分になりました。
「泣いちゃいけませんよ」
貴方は仰いました。泣いていませんよ、と私が言うと、貴方は少し淋しそうな顔を致しました。
「私の為に泣く必要はありませんが、貴方が傷ついたなら、存分に泣けば良いと思います。」
やつれた指で趙雲殿は私の袖を掴みます。
「私は、死ぬまで貴方の手足でいたいのです。だから、貴方は私の為に泣いちゃいけませんよ。貴方は貴方の痛みだけを感じてください。死んでゆくものに情けをかけてはいけませんよ。」
私は貴方になりたかったのです。
それはあなたの優しさだったのでしょうか。それとも貴方の本当の望みだったのでしょうか。
もしそれが、貴方の善意から来るものでなく、もっと心の深いところで生れた望みならば、私はなんて貴方に失礼なことをしてしまったのだと、今では恥じるばかりです。
つい先ほどまで、私は貴方を貴方の望む姿で見ていたはずなのに、今は恐ろしく違うのです。
あなたと繋がっているような気がしたのです。だけどそれはきっと気のせいでした。
最後に貴方が私の手を握ってくれたときに、貴方はようやく私に気付かせてくださいました。
貴方は私ではないのだと
私たちはつながっていないのだと
手を放したらすぐにでも私と貴方になってしまうのだということを
だから私は貴方に手を伸ばしたいと思ったのです。
了
書いちゃ消し書いちゃ消ししてたけどようやく一本短い趙孔。
趙雲は孔明の言うことを唯一ちゃんと聞いていた人だから、それは自分の一部のように思ってたり、思われたかったりしたんじゃないかなと
なんか、趙孔は、ちょっとハードボイルドな感じだといいなと思ってみたりして。
絵チャの最中しこしこ書いてました^^
私の言うことを穏やかに微笑みながら頷くので、私は勘違いしていたのかもしれません。
貴方だけは私の言うことをただ頷いて、その通りに動くものですから、私は貴方を手足だと思っていたのです。だから貴方が居なくなったら私は大層困ると思っていました。
事実、貴方が病床に臥せたと聞いたとき、私は頭の中が真っ白になりました。
体が腐り、こころだけがぽつんと取り残されたような気分になりました。
「泣いちゃいけませんよ」
貴方は仰いました。泣いていませんよ、と私が言うと、貴方は少し淋しそうな顔を致しました。
「私の為に泣く必要はありませんが、貴方が傷ついたなら、存分に泣けば良いと思います。」
やつれた指で趙雲殿は私の袖を掴みます。
「私は、死ぬまで貴方の手足でいたいのです。だから、貴方は私の為に泣いちゃいけませんよ。貴方は貴方の痛みだけを感じてください。死んでゆくものに情けをかけてはいけませんよ。」
私は貴方になりたかったのです。
それはあなたの優しさだったのでしょうか。それとも貴方の本当の望みだったのでしょうか。
もしそれが、貴方の善意から来るものでなく、もっと心の深いところで生れた望みならば、私はなんて貴方に失礼なことをしてしまったのだと、今では恥じるばかりです。
つい先ほどまで、私は貴方を貴方の望む姿で見ていたはずなのに、今は恐ろしく違うのです。
あなたと繋がっているような気がしたのです。だけどそれはきっと気のせいでした。
最後に貴方が私の手を握ってくれたときに、貴方はようやく私に気付かせてくださいました。
貴方は私ではないのだと
私たちはつながっていないのだと
手を放したらすぐにでも私と貴方になってしまうのだということを
だから私は貴方に手を伸ばしたいと思ったのです。
了
書いちゃ消し書いちゃ消ししてたけどようやく一本短い趙孔。
趙雲は孔明の言うことを唯一ちゃんと聞いていた人だから、それは自分の一部のように思ってたり、思われたかったりしたんじゃないかなと
なんか、趙孔は、ちょっとハードボイルドな感じだといいなと思ってみたりして。
絵チャの最中しこしこ書いてました^^
大きな星が西の空を往くのを私達は見ました。
丞相は目を細めて、私が見る限りではまばたきすることはありませんでした。
星が過ぎ去り、「行きましょう」と丞相がおっしゃるまで、私は八回瞬きをしました。その間に、丞相は本当に瞬きすることが無かったのです。
丞相は前におっしゃいました。かがやくものはつめたいのだと。
氷柱の切っ先に指を触れて、わざわざ血を滲ませ、私に教えてくださったのです。
濁った血液が氷柱から滴る冷たい水とともにひたひたと垂れるのを見て、私はこの人も私達と同じような赤い血が通っているのだと気付きました。
「御覧なさい。私の血液は光を通さないのです。故に暖かいのです。」
あわてて掴んだ指は氷柱と変わらない冷たさで、青白くなっておりました。
丞相が何を伝えたかったのか、私にはよくわかりません。ただ、丞相が血を流すことは、私にとって好ましいことではないということは、当たり前のように感じます。
私は手を握ったままなかなかそれを離しませんでした。丞相の手が、氷るほど冷たかったからです。しかし、暫くして思い出したのです。元々丞相の掌は私よりずっと冷たかったことを。
それより何より止まらない血に恐ろしくなり、私は手当ての道具を探しに行きました。
そのお話は、それっきりです。
彗星の髭は青白く冷たそうに見えました。
丞相の横顔もそれに照らされてひたすらに青かったのです。
「往きましょう」
そう行って一度だけ振り返って見せた笑みも。
何故それがひたすら冷たそうに見えたのか。
私には未だによくわかりません。
ただ、丞相が血を流すのはよくないことだと、それだけはわかるのです。
了
確か北伐時に彗星が出てきた気がして、マンソンの曲に彗星が出てきたからそんなノリです。
大分電波な言い回しですが、孔明は姜維に自分を暴かないで欲しいと思っているのではないでしょうか。というお話のはずです。
姜維も孔明が本心を語るのはなにかいけないことのような気がしてしまうのではないのかな、と。
多分、孔明は上手に姜維との距離を保っているのではないでしょうか。
それでも、きっとその関係が崩れて、姜維が彼を暴こうとするときがくるのだと思います。
丞相は目を細めて、私が見る限りではまばたきすることはありませんでした。
星が過ぎ去り、「行きましょう」と丞相がおっしゃるまで、私は八回瞬きをしました。その間に、丞相は本当に瞬きすることが無かったのです。
丞相は前におっしゃいました。かがやくものはつめたいのだと。
氷柱の切っ先に指を触れて、わざわざ血を滲ませ、私に教えてくださったのです。
濁った血液が氷柱から滴る冷たい水とともにひたひたと垂れるのを見て、私はこの人も私達と同じような赤い血が通っているのだと気付きました。
「御覧なさい。私の血液は光を通さないのです。故に暖かいのです。」
あわてて掴んだ指は氷柱と変わらない冷たさで、青白くなっておりました。
丞相が何を伝えたかったのか、私にはよくわかりません。ただ、丞相が血を流すことは、私にとって好ましいことではないということは、当たり前のように感じます。
私は手を握ったままなかなかそれを離しませんでした。丞相の手が、氷るほど冷たかったからです。しかし、暫くして思い出したのです。元々丞相の掌は私よりずっと冷たかったことを。
それより何より止まらない血に恐ろしくなり、私は手当ての道具を探しに行きました。
そのお話は、それっきりです。
彗星の髭は青白く冷たそうに見えました。
丞相の横顔もそれに照らされてひたすらに青かったのです。
「往きましょう」
そう行って一度だけ振り返って見せた笑みも。
何故それがひたすら冷たそうに見えたのか。
私には未だによくわかりません。
ただ、丞相が血を流すのはよくないことだと、それだけはわかるのです。
了
確か北伐時に彗星が出てきた気がして、マンソンの曲に彗星が出てきたからそんなノリです。
大分電波な言い回しですが、孔明は姜維に自分を暴かないで欲しいと思っているのではないでしょうか。というお話のはずです。
姜維も孔明が本心を語るのはなにかいけないことのような気がしてしまうのではないのかな、と。
多分、孔明は上手に姜維との距離を保っているのではないでしょうか。
それでも、きっとその関係が崩れて、姜維が彼を暴こうとするときがくるのだと思います。
雪が降るのを眺めていた。
四角く区切られた窓の外をはらはら落ちる雪を見て、私が思うことはあまりおもしろいことではないらしい。
それはよくわかっている。自分でも嫌になるが認めたくないがまだ座ると窓に顔が届かないほど小さい頃、あの窓の向こうに父と植が居るのを知っていて、その音を聞きながら淋しいと思った事がある。
父は才能を愛したわけであって、自分の息子のどちらが可愛いと、そういう意味で植を愛でたわけではないと言い聞かせて必死に耐えていたあの日、結局立ち上がり窓の外を見る気にはなれなかった。怯えてすら居た、あの四角い真白い窓に。
考えてみればつまらないことだ。そのように女々しい、どの子供とも変わらぬ凡庸な感傷を父が求めるはずも無い。子供の弱さを必要とするのは女だけだ。
そう悟ったときに私は椅子を蹴り飛ばして窓の外に向って叫ぶことができた。
今は寝転がってでも居ない限り窓の外が見える。それほど大きくなった。あの窓だって怖くない。ただあの白さに目が眩むだけだ。
それはおそらくあの幼稚な感情ではなく、もっと洗練され麗句に彩られたきらびやかな
つまらないものなのだろう。
了
文帝が文学者であり作家としてはいまいちだったという話を講義で聞いて、それは小さい頃コンプレックスだったんじゃないかなと思いました。ぴーちゃんよりちーちゃんの方が可愛がっていたって話しあるもんね。
ファザコンは永遠の萌だと思います。
好きとか嫌いと言うか、物凄い意識しているという感じで。
結局好かれたいんだかなんだかわけわかんない気持ちで一杯で、なんだかわけわかんない行動に出ちゃうぴーちゃんだといいな。
体育会系だとストレートに親父を越えてやるぜ!!なノリなのかもしれないけど、超文系だしなんか半端に芸術家ぶっているというか、芸術家になりたかったというかそんな曹丕さんだからきっとへんてこな自己表現をしてくださるに違いありません。
それにしても今六月だ。
四角く区切られた窓の外をはらはら落ちる雪を見て、私が思うことはあまりおもしろいことではないらしい。
それはよくわかっている。自分でも嫌になるが認めたくないがまだ座ると窓に顔が届かないほど小さい頃、あの窓の向こうに父と植が居るのを知っていて、その音を聞きながら淋しいと思った事がある。
父は才能を愛したわけであって、自分の息子のどちらが可愛いと、そういう意味で植を愛でたわけではないと言い聞かせて必死に耐えていたあの日、結局立ち上がり窓の外を見る気にはなれなかった。怯えてすら居た、あの四角い真白い窓に。
考えてみればつまらないことだ。そのように女々しい、どの子供とも変わらぬ凡庸な感傷を父が求めるはずも無い。子供の弱さを必要とするのは女だけだ。
そう悟ったときに私は椅子を蹴り飛ばして窓の外に向って叫ぶことができた。
今は寝転がってでも居ない限り窓の外が見える。それほど大きくなった。あの窓だって怖くない。ただあの白さに目が眩むだけだ。
それはおそらくあの幼稚な感情ではなく、もっと洗練され麗句に彩られたきらびやかな
つまらないものなのだろう。
了
文帝が文学者であり作家としてはいまいちだったという話を講義で聞いて、それは小さい頃コンプレックスだったんじゃないかなと思いました。ぴーちゃんよりちーちゃんの方が可愛がっていたって話しあるもんね。
ファザコンは永遠の萌だと思います。
好きとか嫌いと言うか、物凄い意識しているという感じで。
結局好かれたいんだかなんだかわけわかんない気持ちで一杯で、なんだかわけわかんない行動に出ちゃうぴーちゃんだといいな。
体育会系だとストレートに親父を越えてやるぜ!!なノリなのかもしれないけど、超文系だしなんか半端に芸術家ぶっているというか、芸術家になりたかったというかそんな曹丕さんだからきっとへんてこな自己表現をしてくださるに違いありません。
それにしても今六月だ。
※孔明が真っ黒です。孔明が司馬懿のこと嫌ってます。ていうか見下してます。孔明やなやつです。気分を害しそうな方は戻ってね!
ええ、とてもかわいそうな方だと思いますよ。
彼は才能の無い方ではないのです。しかし、特別秀でているわけでもないのです。普通の方より少し賢い程度なのです。だからこそ可哀相なんです。
彼は戦って私に勝ちたいくせに、自分がどう頑張っても勝てないことを知っているのです。
私の首を落としたくてたまらないくせに、彼は刃物を持って戦場に立たないのです。私と同じ羽扇を持って立つのです。それがどうしようもなく可哀相なのです。
そう、彼は私を殺したくて殺したくてたまらないくせに、いざ私の首が盆に載ってやってきたら、きっと釈然としない顔で、首を傾げるに違いありません。
そしてほんの少し涙を零すでしょう。全く、どうしようもないのです。
それでも結局周りの人間の期待の目に耐えられなくなっていつものように楽しそうに高笑いするに違いありません。本当に、どうしようもないのです。
そうして、彼は私と一緒に居ようとしたがるのです。この不思議な世界で彼はまるで鳥の雛のように私の後を着けて歩くのです。
胸を張ってはいるものの、何処か自信なさげに、その証拠に彼はよくしゃべります。「少し黙ったらどうですか」と私が言うと、とたんに黙るのは、初めて知らない場所へつれてこられた子供と母親のそれに余りにも似ているので私は吐き気すら覚えます。
彼は私と共に居たがるのは一体何故でしょうか。私の傍にいれば、絶えず彼は不安でたまらないはずなのに、彼は私の後を追いたがるのです。
彼は不安になりたがっているのでしょうか。怖い思いをしたいのでしょうか。いいえ、違いますよね。私が嫌な顔をすれば、貴方、凄く驚いて悲しそうな顔をしますものね。本当にお辛いのでしょうね。哀れ。
だけどあんまり可哀相であるとき優しくして差し上げたら、やっぱりおどろいて悲しそうな顔をするものだから、この人は甘やかしてはいけないのだと悟りました。もうあんな顔は致しません。
哀れだと思いながら、私は彼と共にいるとどうしても冷めてしまうのです。
彼は狂ったふりをします。狂っているのかもしれない、と不安に思うことがあるのでしょうが、わざわざそんなことを思わなくてもあなたは充分に普通でありますからと私は言うのですが、彼は不安だと言うのです。そんなふうに自分を悪いほうへ悪いほうへ考えるのはおかしいと思います。彼はもしかしたら狂っているのかもしれません。
それを思うと哀れでなりません。彼はきっと深窓の令嬢、降る予定の無い雨、そんなものに近いのかもしれません。
「愛していますよ」
「嘘だ」
「貴方は、私に嫌って欲しいのですか」
「嘘を付かないで欲しいだけだ」
「だから、愛していますよ」
「嘘だ」
「嘘ではありませんよ」
「嘘だ。お前が私を愛しているはずは無い」
「どうしてそう思われるのですか」
「お前が私を好きになるはずが無いからだ」
「どうして。私には、貴方が私に嫌って欲しいようにしか見えません」
「いや、私はお前に、嫌われたいなどと思っていない」
「そうは見えません」
「お前の目がおかしいからだ。だから、私のことを愛しているなんて錯覚も起こしてしまうのだ」
「そんなことありません。どうしてそのようなことをおっしゃるのです。そんなひねくれた解釈、貴方が私に嫌って欲しい言い訳じゃありませんか」
「そんなことない!私はお前に、」
「お前に?」
「(無言)…もういい、来い。」
抱きしめながら、泣かないでください。
私だって別に貴方の事を泣かせたいわけじゃないんですよ。できれば救ってあげたいとすら思っている。
だけど貴方がそのような態度を改めないなら、貴方に気持ちよく抱かれてあげる。いい声で啼いてあげる。貴方の首に手をかけて、痛いと言っても、気を失うまでずっと、そのまま汚い言葉で罵ってあげる。
本当は貴方なんて別にいらないんですよ。
了
孔明 黒 すぎ …ちょっと笑えない
世間の司馬諸やら諸司馬は何故か孔明が司馬懿大好きで司馬懿が孔明大嫌いなのがセオリーのようですが、私はひねくれというか生まれながらにマイナーの星の下に生れてしまったので司馬懿が孔明大好きです。色んな三国志読んだ結果、そう思うようになってしまいました。
簡単に要約すると、「ツンデレは何が言いたいかわからない」というお話です。
それから何故かわからないがずっと趣味じゃねえなと思って聞けなかったキンクリが突然聞けるようになった。
ええ、とてもかわいそうな方だと思いますよ。
彼は才能の無い方ではないのです。しかし、特別秀でているわけでもないのです。普通の方より少し賢い程度なのです。だからこそ可哀相なんです。
彼は戦って私に勝ちたいくせに、自分がどう頑張っても勝てないことを知っているのです。
私の首を落としたくてたまらないくせに、彼は刃物を持って戦場に立たないのです。私と同じ羽扇を持って立つのです。それがどうしようもなく可哀相なのです。
そう、彼は私を殺したくて殺したくてたまらないくせに、いざ私の首が盆に載ってやってきたら、きっと釈然としない顔で、首を傾げるに違いありません。
そしてほんの少し涙を零すでしょう。全く、どうしようもないのです。
それでも結局周りの人間の期待の目に耐えられなくなっていつものように楽しそうに高笑いするに違いありません。本当に、どうしようもないのです。
そうして、彼は私と一緒に居ようとしたがるのです。この不思議な世界で彼はまるで鳥の雛のように私の後を着けて歩くのです。
胸を張ってはいるものの、何処か自信なさげに、その証拠に彼はよくしゃべります。「少し黙ったらどうですか」と私が言うと、とたんに黙るのは、初めて知らない場所へつれてこられた子供と母親のそれに余りにも似ているので私は吐き気すら覚えます。
彼は私と共に居たがるのは一体何故でしょうか。私の傍にいれば、絶えず彼は不安でたまらないはずなのに、彼は私の後を追いたがるのです。
彼は不安になりたがっているのでしょうか。怖い思いをしたいのでしょうか。いいえ、違いますよね。私が嫌な顔をすれば、貴方、凄く驚いて悲しそうな顔をしますものね。本当にお辛いのでしょうね。哀れ。
だけどあんまり可哀相であるとき優しくして差し上げたら、やっぱりおどろいて悲しそうな顔をするものだから、この人は甘やかしてはいけないのだと悟りました。もうあんな顔は致しません。
哀れだと思いながら、私は彼と共にいるとどうしても冷めてしまうのです。
彼は狂ったふりをします。狂っているのかもしれない、と不安に思うことがあるのでしょうが、わざわざそんなことを思わなくてもあなたは充分に普通でありますからと私は言うのですが、彼は不安だと言うのです。そんなふうに自分を悪いほうへ悪いほうへ考えるのはおかしいと思います。彼はもしかしたら狂っているのかもしれません。
それを思うと哀れでなりません。彼はきっと深窓の令嬢、降る予定の無い雨、そんなものに近いのかもしれません。
「愛していますよ」
「嘘だ」
「貴方は、私に嫌って欲しいのですか」
「嘘を付かないで欲しいだけだ」
「だから、愛していますよ」
「嘘だ」
「嘘ではありませんよ」
「嘘だ。お前が私を愛しているはずは無い」
「どうしてそう思われるのですか」
「お前が私を好きになるはずが無いからだ」
「どうして。私には、貴方が私に嫌って欲しいようにしか見えません」
「いや、私はお前に、嫌われたいなどと思っていない」
「そうは見えません」
「お前の目がおかしいからだ。だから、私のことを愛しているなんて錯覚も起こしてしまうのだ」
「そんなことありません。どうしてそのようなことをおっしゃるのです。そんなひねくれた解釈、貴方が私に嫌って欲しい言い訳じゃありませんか」
「そんなことない!私はお前に、」
「お前に?」
「(無言)…もういい、来い。」
抱きしめながら、泣かないでください。
私だって別に貴方の事を泣かせたいわけじゃないんですよ。できれば救ってあげたいとすら思っている。
だけど貴方がそのような態度を改めないなら、貴方に気持ちよく抱かれてあげる。いい声で啼いてあげる。貴方の首に手をかけて、痛いと言っても、気を失うまでずっと、そのまま汚い言葉で罵ってあげる。
本当は貴方なんて別にいらないんですよ。
了
孔明 黒 すぎ …ちょっと笑えない
世間の司馬諸やら諸司馬は何故か孔明が司馬懿大好きで司馬懿が孔明大嫌いなのがセオリーのようですが、私はひねくれというか生まれながらにマイナーの星の下に生れてしまったので司馬懿が孔明大好きです。色んな三国志読んだ結果、そう思うようになってしまいました。
簡単に要約すると、「ツンデレは何が言いたいかわからない」というお話です。
それから何故かわからないがずっと趣味じゃねえなと思って聞けなかったキンクリが突然聞けるようになった。
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